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秋の黒部川紅葉ウォーク (下ノ廊下~阿曽原温泉小屋~水平歩道)

_DSC7345 紅葉ピンポイントの時期に「黒部に怪我は無い」で有名な黒部川沿いを歩いてきました。

【登山日:2018年10月26日~27日】

経緯

今回の登山のきっかけは、8月に早月尾根経由で剱岳に登ったときまで遡ることになります。

剱岳の頂上からは後立山連峰や穂高連峰など、360℃どの方角を見ても名だたる山々が見渡せる素晴らしいシチュエーションでした。そしてそこでmasahiroさんとの会話で話題に上がったのが、黒部ダムから下流に沿って続く下ノ廊下の存在。

「下ノ廊下(しものろうか)、別名日電歩道」とは、北アルプスにある黒部湖を境にして黒部川の下流にあたるエリアのことで、一般的には黒部ダムから仙人谷ダムまで南北にのびる黒部川沿いのルートを指します。このルートは黒部峡谷の中心部に位置しており、全行程を通して滑落の危険が高いルートとなります。

さらに、阿曽原温泉小屋からトロッコ電車で有名な欅平までの道は通称「水平歩道」と呼ばれており、こちらも高度感を楽しめる崖沿いの道を歩くことができます。途中にエスケープルートもないことから、下ノ廊下と水平歩道はセットで歩くのが一般的です。

「日電歩道」の名については、日本電力(日電)が水力発電所の建設に備えた調査を行うために開削したことから付けられました。1925年に着工し、1929年に平(現在の黒部ダム西岸・平ノ小屋付近)まで開通しましたが、黒部川左岸断崖絶壁にわずかな隙間をうがつような形で建設され、当初は最も狭いところで道幅が50cmしかなく、岩壁から太い針金を垂らして木をぶら下げ桟道代わりにしていた箇所もあったそうです。歩道上流部に黒部ダムが建設されるにあたってこれらの狭隘な箇所が拡幅され、現在の道になりました。

この欅平駅~軌道トンネルの工事の様子は吉村昭の小説「高熱隧道」に詳しく載っているのでぜひ読んでみてください。

高熱隧道 (新潮文庫)

高熱隧道 (新潮文庫)

要するにここは黒部ダム建設のための道なわけです。「プロジェクトX」でその道の存在を知り、初めて歩いたのが4年前のこと。

「そういえば最近下ノ廊下に行ってないな。紅葉も楽しみたいし行ってみるかな…」

と思って早速フォロワーさん達に声をかけたところ、これまた二つ返事でOKを頂いたので今回計3人で歩いてきました。

このルートの特徴

この黒部ダム~欅平の約30kmのルートは、一年を通して歩くことができる期間が非常に短いのが特徴です。というのもこの区域は峡谷ということもあり、雪解けが遅く、7,8月の間は通行自体が不可能となるからです。例年9月中旬から10月にかけて整備が行われ登山道が開通するものの、残雪の量によっては開通しない年もあるとのこと。例年では全区間を通行できるのが一年のうち一ヶ月ほどになりますが、崩落状況次第では開通が遅れ、二~三週間ほどしかない場合もあります(去年とか)

開通状況については道中にある阿曽原温泉小屋のHPを確認することになります。

阿曽原温泉小屋

阿曽原温泉小屋~欅平の区間は比較的早い段階で通行可能になるのですが、黒部ダム~阿曽原温泉小屋の区間は道が断崖絶壁にあるだけに、一度崩落が起きれば復旧には相当な時間と労力がかかります。

毎年復旧してくださる方々に感謝しなければなりません。

というわけで今回の縦走については、毎日欠かさず行っている週末の天気のチェックに加え、阿曽原温泉小屋のHPへ半日ごとにアクセスし、通行可能かどうかを確認することになりました。復旧していなくても上級者なら通行できる(場合もある)みたいですが、安全のために復旧してから行くのが無難です。

あ、そういえば。

最近では欅平駅と黒部ダムを結ぶ「黒部ルート」が一般開放されることが正式に決まり、話題になっていましたね。

黒部ルートとは、欅平から黒部ダムまでをトロッコ電車などで結ぶ関西電力の工事用輸送路のことで、黒部ダム建設時に整備され、現在も発電施設の保守作業などに使われています。

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黒部ルート詳細 (朝日新聞デジタルより引用)

※この黒部ルートと今回歩く下ノ廊下は一部交わっており、関西電力所掌の線路を跨いで通行する箇所があります。

このルートは通常非公開なのですが、1996年以降、関西電力が公募の無料見学会を定期的に開催しており、当選すれば一般人でも通行することが可能になっています。

ただ、この「公募見学会」の受け入れは平日のみ1日60人、年間34日間で2,040人に限られます。地元・富山県では黒部ルートの受け入れ拡大を長年求めてきており、「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」で話し合われてきました。その話し合いが、このほどようやくまとまり、2018年10月17日に、富山県と関西電力が「黒部ルートの一般開放・旅行商品化に関する協定」を締結したのです。

tabiris.com

この一般開放は2024年から始まるとのことで、もしかしたらこの下ノ廊下/水平歩道を歩く人も多少増えるかもしれません。

早朝、黒部ダム

前置きが長くなりました。早速本題に入りたいと思います。

愛知県でフォロワーさん達と合流し車で扇沢に向けて出発、その後仮眠を取った後、トロリーバスに乗って黒部ダムに向かいます。

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扇沢に向かう道筋から立山方面をみた景色。

入念に天気予報をチェックした結果、今回の行程は金曜~土曜に決定しました。日曜の天気が悪かったので前倒ししたのですが、予想通り今日はいい天気になりそうです。

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早速黒部ダムへのチケットを購入し、トロリーバスへ乗り込みましょう。

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このトロリーバスも今年11月末に廃止され、2019年4月から電気バスに置き換わるとのことで少し寂しい気持ちになりました。

老朽化やコスト高が理由だそうですが、今まで何度も乗ってきただけに思い入れがあります。

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そんなことを考えていたら黒部ダムに到着。

バスを降りると観光客は左手・黒部ダム方向に向かいますが、我々下ノ廊下組は直進してダムの下流に向かいます。

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人多くない!?

予想以上に、今日このルートを歩く人は多いようでした。

この場所にいる時点で下ノ廊下を歩く登山客なのは間違いないので、平日にもかかわらずかなりの混雑が予想されます。年々このルートを歩く人は増えているようなのである程度は覚悟していましたが。

また、テント泊装備の方も結構いるみたいでした。今日宿泊する阿曽原温泉小屋はテン場が広いとは言えず、早めに到着しないとテントが張れなくなるおそれもあります。そこだけが心配。(なお結果的には杞憂だった模様)

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黒部ダムを出発してからは一気にダムの真下まで下り、橋を伝って対岸に渡ることになります。

早朝で凍結しているせいかこの橋の上の摩擦係数が限りなくゼロに近く、普通に歩いていても滑りそうになりました。

他にも散々怖い道があるものの、今回の全行程を通して一番怖かったのがここです。万が一滑り落ちると流されてしまうので気が気ではありません。

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橋を渡り終えて見上げるとちょうど放水している黒部ダムが見えました。ただ、この時期に放水しているのはなかなか珍しい気がします。夏場の放水のイメージが強いせいかもしれません。

水平歩道をゆく

橋を渡ってしばらくは黒部川と道との標高差もあまりなく、安全に歩くことができます。川沿いの道なので岩が多少多いですが、滑るわけでもないので安心できます。

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下ノ廊下と水平歩道はどちらもその名の通り道がほぼ水平なので、アップダウンはそれほどありません。ですので、体力的にはそこまできつくないと思います。

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黒部ダムからCT1時間ほど進むと内蔵助谷方面の分岐(内蔵助出合)があり、そこを過ぎるとしばらくは白竜峡を目指して歩くことになります。

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この付近は雪渓が残っており、遠目からですが確認することができます。崩落の具合によっては雪渓付近を通過する年もあるそうです。

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内蔵助出合から先は随所に仮設の丸太橋があったり、道幅が極端に狭い場所が連続したりと急に危険度が増します。紅葉に見とれて足を踏み外したら一巻の終わりです。

また、今までの平和な道とは異なり、徐々にですが黒部川との標高差もでてきます。道と川との間に遮るものが何もないので余計に高さを感じますね。

それにしても紅葉真っ盛りという素晴らしいシチュエーション。天気もいいし、一番いい時期に訪問できたかもしれません。

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このあたりになると道幅は広くて1mほどしかなく、反対側から歩いてくる登山者とのすれ違いにも神経を使います。特にテント泊装備だとザックが大きいため、余計に怖い思いをすることに。

「もしザックが当たってバランスを崩したら…」

とか思っていると本当にバランスを崩しそうになるので、十分注意が必要です。

お互いの身の安全のためにも、危険箇所では適宜、比較的広い場所を見つけてすれ違うことが重要になってきます。

譲り合いは大事。

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全行程を通して一番紅葉が綺麗だと感じたのがこの付近です。紅葉が逆光にきらめいて非常に鮮やかに光っているのがとても素敵でした。

岩の間に一本筋が入っていて、人が歩いているのが今まで歩いてきた道です。道幅に対して水面との距離が大きいため、相対的に道幅がほとんど無いように見えます。

なお、この時点で道と水面との標高差は15m程度なので、落ちても助かる可能性は高いです。

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今まで散々「崖にへばりつくように道らしきものがあるだけ」みたいな書き方をしましたが、実は道の山側には随所に番線が張ってあります。

番線は結構な強度があり、通行の際はこれを持ちながら歩けば転落の危険性はぐっと減ります。

ですので、落ち着いて山側に体重を置きながらゆっくり歩けば大丈夫です。

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白竜峡に到着。

紅葉がすごすぎる(語彙力)

紅葉って訪問する日が一週間ずれただけでも全然違う様相になるので、今回もあまり紅葉そのものに期待はしていませんでした。しかし、これだけ見事な紅葉を見れば、もうそれだけでここに来たかいがあったというものです。

私の都合で今回の訪問日がこの日になったのですが、今にして思うと本当に運がいい。

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場所によっては道の上を川が流れていたり、滝が横断していたりします。その場合は覚悟を決めてずぶ濡れになる他ありません。幸いにもこの場所は水量が多くないので、すんなりと渡ることができました。

当然ながら山側を歩くほうが濡れる確率は高いのですが、崖側を歩くと今度は転落の危険性が高くなるので濡れる方を選びます。

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白竜峡を超えて十字峡に到着。ここは黒部川と剱沢、それに棒小屋沢由来の川が十字に交わることからこの名がついています。

道としては吊橋を渡って反対側まで行くことになるのですが…

この吊橋が揺れる揺れる(怖)。

二人以上で橋を渡ると振動がとんでもないことになります。渡る際は一人ずつにしたほうが無難です。

阿曽原温泉小屋へ

十字峡を通過できれば、あとは今日の目的地である阿曽原温泉小屋へ向かうだけとなります。

残りの行程はCT3時間程度。黒部ダムから阿曽原温泉小屋までのCTは7.5時間なので、すでに半分を折り返した形になります。

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岩と紅葉の組み合わせ…良い…。

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下界ではまだ気温が低くなったばかりで紅葉のコの字もありませんが、ちょっと標高を上げれば秋をそこかしこに見つけることができます。

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十字峡からCT2時間のところにあるS字峡を通過。

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この時点で水面との標高差は100m程度。なかなか高度感があります。

ところで。

これらの写真を見て、なんか暗いな?と思われるかもしれません。

それもそのはず、下ノ廊下は渓谷の中にあるため、昼を過ぎるともう道の上には陽の光が届かなくなります。従って通常の登山以上に時間には余裕を持って行動する必要があります(本当にあっという間に暗くなるので)

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S字峡のすぐ先、東谷吊橋から東を見ると見える関西電力が確認できます。

どうやらあの穴の向こうに発電所があるようです。一度でいいので入ってみたい。

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この東谷吊橋は長さ50~60mくらいで、十字峡にある橋と比べて非常に長いのが特徴です。揺れやすさも格段に上がっているので、通行の際は気をつけましょう。

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対岸に渡ると少広場があるほか、今までの狭い道から一気に道幅が広くなります。ここで一休みするのもいいかもしれません。

少広場からはロックシェッドの中を通り、林道を200mほど歩くと仙人谷ダムに到着。

ここから対岸の階段を上に登っていくと、かの有名な仙人温泉小屋に向かうことができます。今年は残念ながら本年は営業されていないようですが…。

なお、仙人谷ダムから仙人温泉小屋までのCTは約5時間。山と高原地図を見ると「急坂でロープ多し、ハシゴあり」とのことで、かなりの難所のようです…。

まだ行ったことはありませんが、噂にはいい温泉だと聞いているのでぜひ訪れてみたいものです。

仙人温泉小屋

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仙人谷ダムから阿曽原温泉小屋までは、一部関西電力の施設内を通らせていただく形になります。

まずはダムの上を通って対岸に渡り、そこから施設内に入って北の方角に向かいます。そして前に述べた、トロッコ電車が通る工事用輸送路(線路)を渡ってさらにその先へ行くことになりますが、ここで思わぬ展開に。

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なんと関電のトロッコ電車に遭遇できたんです。嬉しいー!

運がいいと遭遇できるらしいとは聞いていましたが、まさかこんなジャストタイミングで遭遇できるなんて運が良すぎる。

ここが観光地化した暁には、このトロッコ電車に乗れるんでしょうか。

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仙人谷ダムと関電人見平宿舎を越え、急登に悲鳴を上げながらも阿曽原温泉小屋に到着。今までの道が平坦すぎたので急登はかなり脚に来ました。

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心配していたテン場の混雑状況ですが、なんとスカスカ!

比較的早めに到着できたのでまだそれほど人が多くないようです。

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平日なのに加えて、まだ時間が早いため余裕を持って設営することができます。

小屋の方の話では、先週はここになんと200張ものテントが張られたそうです。フライを張るとスペースが足りなくなるので張るに張れない状況だったとかなんとか。この狭いスペースに200張なんて信じられん…。

温泉でのひととき

受付を済ませて早速テントを設営します。

阿曽原温泉小屋 テン場料金:テント+温泉で¥1,500
缶ビール350ml : ¥600、500ml : ¥800

今まで登山でテント泊といえば下が岩場ばかりで、土の柔らかさが身にしみて嬉しい。ペグが簡単に刺さるだけで感動しました。

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設営が終わってのんびりしながら、masahiroさんが持ってきたゆるキャン△最新刊を読む。

私はkindleで発売日に購入済みですが、こういう状況で読むと妙な特別感があります。

今日だって我々もなでしこやリンみたいにテント泊してるし、これは実質ゆるキャンなのでは…?

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テント設営後は、休憩もそこそこに温泉に入りに行くことにしました。

ここの温泉は偶数の時間(16時、18時等)が男性用、奇数の時間(17時、19時等)が女性用となり、時間に応じて交互に入りに行く形となります(なお20時以降は混浴になります)

湯船は一つだけで、脱衣所もないためそこらへんで脱いで入ることになります。

温泉からも周囲の紅葉ははっきりと見ることができ、温泉と紅葉を同時に楽しめる体験ができました。

小屋泊の人たちも温泉に入りに来たので湯船はすぐにいっぱいになり、後から来た人は温泉の周りで待たなくてはいけないほど。ただ、人が大勢やってきて混むのは、例えば16時なら16:30程度までで、そこから女性用に切り替わるまでの30分はそこまで人は多くありません。

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温泉から上がったので夕食にします。

まずは今日一日の行程を無事に終えられたことを祝って乾杯。その後各自で夕食を取りながら話に花を咲かせました。

やっぱり複数人で山に来ると、ソロとは違う楽しさがあります。ソロだと夕食のときとか無言になるし、それよりはわいわい言いながら食べるほうが気分も高揚しますしね。

その後は二回目の温泉に入った後に就寝。

翌日は雨

一日目は非常に理想的な天気の中歩くことができました。

しかし、二日目の今日の天気は残念ながら。シュラフに包まって寝始めた21時頃から雨が降り始め、朝になると結構な雨量になっていました。

予め昨日のうちに阿曽原温泉小屋の職員の方に翌日の天気を聞いておいたのですが、その時伺ったのが、

「明日は朝から昼頃までずっと雨。特に9時頃に最も雨量が増えてオリオ谷を越えられなくなるので、5時には出発してください」

とのことだったので、その言葉通りに5時に出発します。

というのも、オリオ谷では一日目と同じように通行ルート上に川や滝があり、雨量が増えると増水して渡れなくなるからだそうです。

雨の中の撤収は非常に疲れるものの、出発が遅れるとルートを通過できなくなるので落ち着いて準備をしました。

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ヘッドライトを点灯させて予定通り5時に出発。

早朝かつ雨ということであたりは非常に暗く、通常使っている絞り優先だとSSが足りないのでマニュアルで撮りました。

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雨の中歩くことになったので気分は憂鬱気味だったのですが、雨の中の紅葉が思いの外幻想的だったので晴れやかな気分になりましたね。

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昨夜からの雨のせいで、通行ルート上のいたるところに小さな滝ができています。しかも道幅が非常に狭い場所に滝ができているので、通過する度にびしゃびしゃにならざるを得ませんでした。

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オリオ谷付近を通過。

さっきまで歩いてきた道、それにこれから歩く先の道を確認しながらの1枚。「水平歩道」の名の通り、横一直線に道が走っているのがよくわかります。

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阿曽原温泉小屋からCT2時間40分、水平歩道の核心部である大太鼓に到着。

水平歩道でここが最もスリリングとされており、岩をコの字形に穿って道が拓かれているのがよくわかります。

また、頭上の岩がオーバーハングしており、断崖絶壁の中をかろうじて歩くことができる形となります。

道幅は狭いところで50cmほどしかなく、バランスを崩して崖から落ちる=死なので全く油断できません。

なお、この超コワイ区間はおよそ100mほどしかありません。そこを過ぎれば今までのような少し道幅に余裕がある道に戻ります。

一応書いておくと、このようなあからさまに危険な道で滑落する人はほとんどいません。

それよりも、この場所以外の一見安全そうに見える場所で油断して落ちる人がほとんどです。(小屋のブログより)

道によっては崖側に植物が茂っており、一見しただけではすぐ下に足場があると錯覚する箇所が多いです。このような場所は実際には崖になっており、もしも落ちた場合は何も掴むものがないまま100mほど滑落することになります。

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阿曽原温泉小屋から欅平までの区間では、二箇所ほど砂防ダムとトンネルを抜けることになります。

中は真っ暗なのでライト必須なほか、天井が低めなのでヘルメットも必須となります(このルートを歩く人は当然付けてると思うけど)。

加えてトンネルの中は高確率で水が溜まっているため、防水でない靴だと苦労するかもしれません。今回は深さ10cmほどの水が全区間溜まってました。

阿曽原温泉小屋のブログによると、このトンネルで頭をぶつけて大出血し、血だらけで小屋に到着した人がいたとか。

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頭上から滝が降ってくる場所も一箇所や二箇所ではありません。雨で増水したこともあって水量はかなり多く、ここを通るときに左半身がとんでもなく濡れました。

下山

雨と格闘しながら歩くこと約5時間、ついに欅平駅に下山できました。

最後の方は一気に標高を下げるため道がかなり急になっており、今まで以上に転倒に注意しながらの歩行となります。

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結局今日は最後の最後までずっと雨でした。

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今回は試験的に30Lのザックにテント泊装備を詰め込んでみましたが、フリースとサンダルを外付けすれば水2L+一眼を入れてもまだスペースに余裕がありました。

今後は装備をより吟味し、より軽い装備でテント泊縦走ができないか色々試してみます。

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黒部は今紅葉シーズンということで雨にもかかわらず観光客は多く、欅平から宇奈月までのトロッコ電車の席もあらかた埋まっている様子でした。

このルートを歩いて欅平方面に下山する場合は、遅くとも14時までには欅平に到着しておかないと帰りのトロッコ電車の席が無いので注意してください。想像以上に観光客は多いです。

黒部峡谷トロッコ電車 運賃:欅平~宇奈月 ¥1,980
※窓付きの特別車両は+¥370
所要時間:約1時間20分

あ、これは声を大にして言いたいことなのですが、この時期にトロッコ電車に乗るときは特別車両がおすすめです。

というのも、通常料金で乗ることができる普通車両は窓どころか壁もあるかどうか怪しいくらいにオープンで、背もたれもありません。

↓普通車両

https://www.mitsui-kinzoku.co.jp/group/yoursoft/okuhida/detail/201507/images/index_ph002.jpg

↓特別車両

https://www.mitsui-kinzoku.co.jp/group/yoursoft/okuhida/detail/201507/images/index_ph004.jpg

解放感がありすぎるせいで、走行中ずっと外気を受けていると体温がどんどん奪われ、 終点の宇奈月に着くころにはすっかり冷え切ってしまいます。

1回目の訪問時は普通車両に乗って寒い思いをしたので、今回は当然特別車両を選択しました。

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宇奈月に着いたあとは温泉に入って人休みした後、宇奈月→新黒部→糸魚川→南小谷→信濃大町へ電車を乗り継ぎ、信濃大町駅からはタクシーで扇沢に帰還しました。

終わりに

今回の山行の行程を見返してみると、アップダウンもなく歩行時間も比較的短いルートのように思えますが、実際には日が短い秋の登山であり、さらに道が凄まじく危険なためなかなか一筋縄ではいかないルートでした。

ただ、苦労して通過して行く中で通常では見られないほどの見事な紅葉、それに高度感を楽しめる道でもあります。

4年ぶりの訪問となりましたが紅葉や温泉、それにグループ登山の面白さを実感できたりと、非常に満足のいくものになりました。

なお、今年の夏山登山はこれで終了。来年の登山に向けて装備を一新する予定です。