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旅の記録とか舞台訪問とか

【俵山温泉~青海島~萩~山口】 ロードバイクで晩秋の山陰を旅してきた Part 2/2 (@山口県)

起伏に富み、様々な名所がある山口県。今回は主に山陰側を走ってきました。

【訪問日:2020年11月8日~9日】

夜の萩

Part 1では長門市から萩市へ向けて自転車を走らせ、紆余曲折ありながらも以前から泊まってみたかった旅館である芳和荘に到着しました。

到着後は休憩もそこそこに、さっそく荷物を置いて旅館内を散策する私。

元遊郭の旅館に泊まるというだけでも心躍るのに、あれほどまでに素敵な建物の構造を見てしまったらもう酒を飲むしかない。そもそも芳和荘では食事の提供は行っていないので、どこかで食事をとる必要があるのですが…必然的に食事+酒という組み合わせになってしまうのは、これはもう仕方ない。

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とはいえ、あまり宿から離れたところに行くのも面倒なので芳和荘からほど近い居酒屋に足を運んでみました。

で、ここの店がまた素晴らしくて。

安い上に料理は美味いという、もう酒を飲む店としては百点満点といってもいいくらいの完成度の高さでした。

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居酒屋には大きく分けて、チェーン店とそうでない店がありますね。

自分が遠征先で飲む場合は後者を選ぶようにしているのですが、その理由は店によって料理も味も全く異なるからです。同じ揚げ物にしても店によって味付けの濃さや揚げ具合も違うし、もちろん美味しさも違う。せっかく遠くまで来ているのだから、普段では味わえないようなものを肴に酒を飲みたいものです。

さらに、地元の方に愛されているようなお店の場合だと自分のような旅行者はごく一部で、地元の方9割くらいのところにひっそりと混じって飲む形になるわけ。

これが実にいい。

その土地の方言や日常の会話やら、明日の予定とかが意識しなくても耳に入ってくる。こういうのを聞くと自分が遠くに来ていることが実感できるし、何よりも「旅先で飲んでいる感」が強く感じられる。やっぱり旅はこうでなくては。

と、そんな調子で気分がとても良くなったので料理も酒もバンバン注文してしまい、にも関わらず料金がめちゃくちゃ安くてさらに上機嫌になったりしながら気持ちのいい酔い具合で旅館に帰還。季節的に夜でもエアコンが必要ないくらいちょうどいい気温で、日曜夜の静寂を味わいながらいつの間にか眠りについていた。

平日の萩を散策する

むくり。

いつもなら絶望の朝となる月曜日も、遠征ができるとなれば希望の一日に変わる。心なしか普段よりも目覚めが良いのは気のせいではない。

この日はもう山口まで走って帰路につくだけなんだけど、その前に萩の町を回ってみることにします。

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通学途中の女子高生に轢かれかけるなどしながら到着したのは、萩市街の東にある東光寺というお寺。

東光寺は萩藩藩主の毛利氏ゆかりの寺であり、東光寺開基の三代藩主毛利吉就公から十一代までの奇数代の藩主、それに加えて一族関係者の墓所となっています。

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整然とした墓所の様子

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墓所はお寺の一番奥にあり、まず目を引くのが墓所内に均等に並んでいるたくさんの石燈籠です。

この石燈籠は家臣らが寄進しただそうで、その一基一基に弔う藩主・夫人の法名と寄進者名や年月日が刻んであります。一族の墓所というだけあって壮大なものなのだろうという先入観をもっての参拝となりましたが、敷地内一体が実に荘厳な雰囲気に包まれているのが実感できました。壮大ではなく荘厳。派手な様子は一切なく、周辺の静けさも相まって長居するのが憚られるレベルです。

というか「寺」なのに鳥居があるのも変わっている気がする。先祖を祀る場所というだけでなく、神聖さを演出する意図があったのかもしれません。

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何が不思議かって、この日お寺の門をくぐってから墓所を参拝し、去るまでに他の人と全く出会っていないこと。

観光客や参拝者はともかくとして、お寺の関係者ですら遭遇していないのは謎すぎる。でもおかげで自分の世界に浸ることは必要以上にできたし、特にあの苔むした墓所でのひとときは心にくるものがあった。

これが平日だからかどうかは分かりませんが、「人が少ないときに散策したい」という意味では、平日に出かけるのは本当におすすめできますね。体感的には観光客は土日の1/10くらいしかいませんし。

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鍵曲(かいまがり)と呼ばれる道筋は左右に高い土塀を築き、道を直角に曲げることで敵の方向感覚を狂わせる目的がある。

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東光寺を後にして、しばらくは萩の町をぶらぶらポタってました。

萩はまるで碁盤の目のように道が規則的に走っていて、それだけでも城下町の名残を感じられるのが魅力の一つ。実は1852年(嘉永5年)に描かれた「萩城下町絵図」を現在の地図と重ね合わせてみると、町割りがほぼ一致するんだそうです。

古い建物は当然ながら残っていませんが、道はそのまま今に残されている。

こうして回ってみると、萩は昔と今が見事に調和している町なんですね。当時の建物も一部は復元されているし、昨日訪れた明倫学舎や芳和荘のように当時の歴史を直に感じられるところもある。実に良い風情が漂っているものだからいつまでも長居したくなってしまう。

蒲鉾を食べて山口へ

そんな風に思いつつ、もうここからは輪行オンリーで帰ろうか、と思っていたのですが、時刻表を見て速攻でその案はキャンセルしました。新幹線駅である新山口駅までの電車が非常に少なく、これはもう自走で走った方が早いという結論に。

まぁ、どっちにしろ自走で山口までは行くつもりだったので予定通りといえば予定通りなんですけど。

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で。

せっかくなので、萩を経つ前に昨日ぷにぽんさんに教えていただいた「かまタルバーガー」を食べにきました。お店の名前は忠小兵衛蒲鉾といって、その名の通り蒲鉾を専門で扱っているようですね。

さてさて、「かまタルバーガー」は一体どんな味なんでしょうか。胸が踊ってきた。

というわけで、開店して20分後くらいに入店したのですが…。

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売り切れ…!?

ゑ?

おかしいな。売り切れましたって書いてあるように見えるんだけど。

混乱しつつ店員さんに伺ってみると、昨日の日曜日に結構な数の注文があったことで売り切れになったそうです。月曜日はお客さんが少ないのでこういう形になったのだろうと思いますが、なんというマイノリティ殺しなのか。

とはいえ、代表的な商品である「萩かまバーガー」は問題なく注文できるそうなのでそっちを注文しました。

忠小兵衛蒲鉾本店 | HAGI-TAKEOUT

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食べた感想としては、萩かまバーガー、間違いない旨さです。

かまぼこのすり身に野菜を練り込んだ「魚カツ」に和風ダレを絡めており、さらにチーズとキャベツを挟んだハンバーガーということで確かにヘルシーさはある。しかしこの濃厚な味は蒲鉾のそれではなく、ペロッと食べることができてしまうにも関わらず腹持ちが非常に良い。

朝食をまだ食べてなくて、これからそこそこの距離を走ろうかという段階でいただく食べ物としては最高の一品と言えます。実際に萩から山口まで50km程度走ったけど、全然お腹が減りませんでした。

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萩かまロール

せっかくなので(2回目)、もう一つの看板商品である萩かまロールも一緒に買っちゃいました。

これはパン生地ですり身を包み込んでサクッと揚げたもので、4本セットだとプレーン(すり身のみ)2本、チーズ入り2本が入っています。こちらは帰りの新幹線の中で食べるため、サコッシュの中に入れて走ることにしました。

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で、ここから山口まで走るわけですが。

山口という土地は非常にアップダウンが多く、特に内陸部はいくつもの峠の合間に町が形成されています。逆に言うとヒルクライムをしながら適度な頻度で開けた風景を楽しめるということで、前向きに考えて走るようにすれば良し。

ヒルクライムといっても、今回のルートだと最大で斜度9%くらいだったので比較的楽でしたし。

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国道はそこそこ交通量が多いけど、一本入った県道とかだと至って走りやすいのも助かりました。

峠が多いということは見晴らしがいいということでもあるので、上の写真のように田園風景を横目に見ながら走っていくということも簡単にできちゃいます。

季節はもう晩秋。田んぼのシーズンは終りを迎えており、来年に向けて一時の休息期間に入っている田園地帯を走るのはやはり気持ちがいいもの。観光要素は皆無だけど、例によって自分はこういう何気ない風景が好きなんですよね。

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そんなこんなで無事に新山口駅に到着。

狙っていた新幹線の時間に間に合うように着くことができたのが嬉しい。何から何まで無計画な旅だけど、こういうところはしっかりと抑えておきたいものです。帰る時間が遅くなると混んでしまうし、下手をすると何時間も待たないといけなくなりかねません。

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新幹線の中では萩で買った萩かまロールと、新山口駅で買った地ビールで一杯やりながら帰路につきました。

萩かまロールは蒲鉾を油で揚げていて油分があるのが個人的に好きで、魚のすり身と油がビールによく合う。というか相性が良すぎる。今思うと、買ってすぐに萩かまロールまで食べていたら酒が欲しくなってしまって、輪行のみで帰ることになっていたかもしれません。

萩から大事に運んできただけに、その美味しさも際立つというもの。今回の旅の終わりはいつもより美味しい味がしました。

おわりに

俵山温泉だけ訪問して帰るのはもったいない!という気持ちで今回の萩ライドを突発的に決めましたが、萩という歴史の町の景観の良さに加え、元遊郭旅館やグルメも一緒に楽しむことができました。終わってみれば何から何まで上手くいきすぎ感は否めませんし、自分でも驚いています。

そして何よりも、地元の方の親切さに感動した行程でもありました。今後も今回のように、その土地の素晴らしさに着目した遠征を続けていきたいです。