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旅の記録とか舞台訪問とか

【姨捨~角間温泉~白沢洞門】 冬の長野ポタ・白銀の山嶺を目指して Part 2/2 (@長野県)

雪が降る前に冬の長野県を満喫してきました。

【訪問日:2020年12月5日~6日】

寒すぎる長野の朝

角間温泉での一夜が明けたこの日。

いつもの岐阜県で迎える朝とは一味違い、長野県の早朝の寒さは自分を凍りつかせるに十分でした。朝風呂にはしっかり入ったのに、一歩外へ出るだけで途端にUターンして再度温泉に入りたくなってしまうレベル。

この日の行程について離すと、まずは角間温泉から長野市へ向かい、そこから今回の目的地である鬼無里や白馬方面に向かって走っていくことになります。

しかし、ここで注意したいのが長野市までの移動手段。安曇野から長野市→白馬という旅の行程を選んだにも関わらず、宿を長野市から遠く離れた角間温泉に取った影響で余分に走る行程が生まれてしまいました。本来だったらこの長野市⇔角間温泉間の移動は不要なわけですね。

もっとも、あれだけ良い旅館に泊まれたのだから後悔はもちろんありません。

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凍結してます

角間温泉から長野市までは30km強しかないので走っていってもいいものの、実は角間温泉周辺の道が凍結していたため自走で行くのは怖いものがありました。

長野県という寒い地域なことに加え、湯田中渋温泉郷自体が比較的標高が高いところに位置しているからだと思います。

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じゃあどうするのかというと、ここでも輪行が役に立ってくれました。

個人的には早朝の時間帯に凍結に怯えながら走るのは避けたいし、何よりこんな寒い中を走るのは嫌。なので電車の力を最大限に活用して、早朝の時間帯をスルーしつつ長野市まで楽に移動できる選択肢を選んだというわけです。

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誰も乗ってない…。

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もちろん、これは電車が通っている地域だからこそできる芸当です。

周りに何もなかったら輪行は使えないし、もしものときは自走するしかないです。自分は現地について下調べするのはあまりやりたがらないものの、抑えておかないと旅に支障が出る部分(駅の有無とか時刻表とか)は把握するようにしているので、今回はそれが良い方向に働いてくれました。Part 1でも書いたけど、楽できるところは楽をして「自分が本当に楽しみたいところ」をしっかり楽しむのが自分のスタイルです。

結局は臨機応変に対処できるかという話になりますが、備えておくのとそうでないのとでは問題に直面したときの安定感がまるで違うので。

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長野駅の手前の権堂駅で下車し、ささっと輪行解除してライド開始。

長野駅周辺から鬼無里、そして白馬に向かうルートとしては国道406号を走るのがてっとり早いらしいので、それに従って走っていきます。途中の道を逸れれば戸隠神社方面にも向かうことができますが、これについては次回に回すことにしました。

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下流にダムがあるため、国道406号に沿っている裾花川の流れは非常に静か

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冬の時期は、朝から気温が徐々に上がってくると低い位置に靄が現れる

まだ日が昇って間もない時間とはいえ、道の凍結はしていない様子でした。

話によると、国道等の主要な道路については念入りに凍結対策が取られているらしく、Part 1で触れた凍結防止剤がふんだんに撒かれているようです。普通だったらこの季節に長野県の山間部を自転車で走るなんて自殺行為な気がするけど、今回訪問した時期に限ってはそういう自動車用の凍結対策がロードバイクにも良い働きをしてくれました。ありがたい。

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冬のいいところはとにかく「静か」なこと。

このブログでもこの良さについてもう何回も書いているし、実際にそれを味わった人も多いと思います。この寒い時期に活動する植物や動物は少なく、人間の活動は別にしても、冬の景色には静寂さがセットになっているのは言うまでもないでしょう。

自分はこの静けさが好き。

特に今回走っているような山間部の静寂っぷりは、その場に居るだけで心が落ち着いていくのが実感できる。霜が降りた田園や静まり返っている集落の家々。そんな冬の道をロードバイクで走っていると、悲しいような、寂しいような気持ちが溢れてくる。

冬には冬の良さがある。これからも季節ならではの醍醐味を味わっていきたいものです。

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国道406号の大半は山に囲まれているので、日が差してくる時間帯も遅い。

走っているうちにようやく直に日光を感じることができるようになって、お、暖かくなってきたなと思って電光掲示板を見てみたらなんと気温は1℃。自分で暖かいと確信を持ってたのにこの寒さなのだから、スタート時点では気温はマイナスだったことは想像に難くない。

白沢洞門までのヒルクライム

長野市から徐々に標高を上げていき、いつの間にか鬼無里(きなさ)という地域に到着しました。

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鬼無里はかつて村だったとのことで、現在の長野市に編入されたのは2005年(平成の大合併)。

村だった名残が目に見えて分かるわけではないものの、中心部や集落の風景を眺めていると古くから続く町であることが伺えます。

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賀茂神社

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国道から道を1本入って散策をしていると、雰囲気の良い神社を発見。早速立ち寄ってみましょう。

この加茂神社は鬼無里村に伝わる遷都伝説(飛鳥時代に鬼無里に遷都の計画があったとされる伝承)や紅葉伝説(能の代表的演目にもなっている)の舞台として登場する神社で、最近修繕を行ったのか目新しい箇所が確認できました。

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田舎の神社って、人気はないんだけど寂しい感じではないことが多いような気がします。

もちろん神様を祀っているから…というのもありますが、神社ってその土地の人が集まる場所でもありますよね。よく神社で神事やお祭りをやったりするし、地域の方は老若男女問わず訪れるようなところ。そんな場所だから決して寂しい雰囲気ではない。

自分が神社が好きなのは、その土地の生活と一体となった場所だからという理由もあります。古い歴史を持つ木造建築という良さに加えて、土地独特の要素がプラスされているのが性癖に触れるのかもしれません。

同じような神社って一つとして存在しないし、神社を訪れるたびに新鮮な気持ちで散策できる。

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そんな鬼無里地区から先は一気に斜度が急になり、白馬村との境界である白沢洞門周辺までずっと上りが続きました。

国道に指定されている割にはすれ違いが不可なほど狭いところもあり、本当にここは国道なのか?という疑問が沸いてきたことも一度や二度ではないです。岐阜県内にある400番台の国道もこんな雰囲気のところばかりだし、整備優先順位としてもかなり低いのが影響しているのでしょうか。

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白沢洞門(長野市側)

最後のつづら折りを突破するとロックシェッド+洞門がセットになったようなところがあり、ここを抜ければ白馬村の中心部まで一気に下っていくことができるようでした。

ここは風景的にかなり有名な場所なんですけど、長野市側から見てもそんなこと感じませんよね。でも、ここを抜けていった先が実に"凄い"んですよ。

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白沢洞門からの眺め。冠雪した北アルプスが眼前に見える。

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!!!

見てくださいこの絶景!

長野市側から上ってくる最中は全く確認できなかった北アルプスが、ここに来て一気に見渡せる快感。ロードバイクで訪問した場合はこれにヒルクライムの達成感も相まって、もう到着した瞬間に脳汁ドバドバ状態でした。

この白沢洞門は鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬鑓ヶ岳、杓子岳と、北アルプス後立山連峰の名峰が一望できるスポットして有名です。白馬村の名前にもある白馬岳が見えないのはちょっと残念ですが、これだけの山塊を一度に満喫できるのだからもう至福以外の何物でもありません。

しかも、目に入ってくるのが全部登山で登ったことがある山なものだから感動するのも当然というもの。実際に歩く後立山連峰と、遠くから眺める後立山連峰。どちらも単純な言葉では言い表せないほど素晴らしい。

天気が快晴なのがまた良いね。

よく考えてみると3,000m級の山の天気ってすぐ変わるし、何より北アルプス自体があまり晴れる印象がないので正直期待していた通りの景色が見えるのかが心配だったのですが、終わってみれば杞憂でした。

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立ち並ぶ急カーブ注意の看板が印象的

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八方尾根の稜線

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白沢洞門(白馬村側)

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実を言うと、私は冠雪する季節に北アルプスを訪れる機会が少ないので、この景色はかなり新鮮だったりします。

もともと標高が高いせいで岩稜帯メインな後立山連峰が、冠雪して白くなっていることでより一層硬そうなイメージになってる気がする。雪の中に岩が見え隠れするのが理由かも。

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望遠で撮ると連峰の巨大さがよく分かる

一通り白沢洞門の前で景色を満喫した後は、白馬村の中心部に向けて下っていくことになります。

このダウンヒルも「景色的な意味で」結構危なくて、林の中からさっき見た山々がたまに見えるものだからそっちに視線が移ってしまう。ダウンヒル中で相当に寒く、斜度もそこそこあるので目を離すと危険なのは分かりきっているけど、これはもう仕方ない。

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昼食は白馬駅前の食堂でとりました

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無事に白馬駅まで下ってきたところで、行程的に後はもう安曇野まで南下してスタート地点に戻るだけ。

しかし、天気があまりに快晴過ぎるのでちょくちょく寄り道をしてました。白馬村の登山シーズンはすでに終了し、今はどちらかというとウィンタースポーツの季節。まだ冬本番には時間がかかるようですが、夏に登山目的のみで白馬を訪れている自分としてはあまり見慣れない光景でした。

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写真中央上付近が白沢洞門

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いやあ、雪山の眺めもいいものですね。

登山で雪山は遭難とかが怖いので自分は手を出してませんが、遠くから見る分には美しいと思います。青空と雪の白さの相性が良くて、寒さよりも綺麗という感想が先に湧いてくる。

で、結構な時間白馬村を散策して、これでもう思い残すことはありません。冬になりつつある白馬村を後にし、安曇野まで戻ることにします。

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青木湖

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木崎湖

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木崎湖キャンプ場

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木崎湖キャンプ場のにゃんこ

ただし、そのまま直接安曇野まで戻ってもつまらないので、いつも通り寄り道に精を出してました(むしろ寄り道がメインな感じ)。

昨年のAACR(あづみのセンチュリーライド)で走った木崎湖や青木湖周辺をポタりつつ、たまにロードバイクを下りて冬の風を全身で感じてみたりもする。安曇野といえば春から夏にかけてかなり人で賑わったりもするけど、冬の安曇野に限っては非常に静か。そんな中を走っているだけで休日の過ごし方としては申し分ないと思う。

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すぐそこに北アルプスがある生活

今更過ぎる話をすると、松本や安曇野の人の生活が本当に羨ましく感じる。

だって、ふと遠くを見てみれば北アルプスが見える日常とか素敵すぎるでしょ。現地の人からすればこれが当たり前なんだろうけど、自分のように登山が趣味な人間からすれば松本は理想の地そのもの。天気が良ければすぐ登山に行けるし、日帰りも縦走もこんなにお手軽にできる環境は類を見ない。

岐阜県も登山という趣味からすれば恵まれている方ですが、気分次第で即登りにいけるというのはイイなあ…と思ってなりません。

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で、そのまま安曇野の田園風景と北アルプスのセットをしばらく眺めてから帰路に着きました。

結局日没の時間ギリギリまで雄大な山々を眺めてたし、やはり自分にとって山は特別な対象のようです。山を見るとまず登ってみたいと思うし、高ければ高いほど興味も湧いてくる。今回見たのはすでに何度も登ったことがある山とはいえ、これほどまでに素晴らしい山容を改めて見てしまうとまた登りに行きたくなるのが性というもの。

自分は来年もまた北アルプスに行くのだろう。

今回のライドは、そんな山への渇望が目に見えて実感できた2日間だったと言えます。

おわりに

完全に冬になる前にどうしても長野県を走りたい、と思って企画した今回の旅ライドは、予想以上の好天に恵まれて大成功に終わりました。週末の土日でここまで晴れるなんて予想にしてなかっただけに、感動も何倍にも増幅されました。

心配していた凍結問題もなんとかなったし、ギリギリのタイミングだったとはいえ想定通りに事が進んでくれて何よりです。温泉にヒルクライムと、冬にこそやりたいことができたということでもう言うことありません。

楽しかった!